注文住宅の間取りを考える上でのポイント
注文住宅を建てる上で重要なのが間取り。ここをしくじると後々問題が生じ、生活に支障をきたすことにもなりかねません。間取りを決めるとき、注意しなければならないのはどんなことか。本コラムでは注文住宅で間取りを考える上でのポイントをご紹介したいと思います。
まずは希望をまとめる
多くの優良業者が、施主とその家族の理想や希望をヒアリングするところから家づくりをスタートさせます。ですから、そのときにしっかりと伝えられるように、施主は自分の理想や希望の間取りを整理して書き出し、その上で家族のそれも把握して書き加える必要があります。
最初はとくに制限を設けす、間取りについても自由に発想や発言をしてもらいます。そして、相反する部分や並び立たない部分が生じたときには、よく話し合ってどちらかを選択する、もしくは優先順位を付けます。
そして、依頼先の担当者・その道のプロに忌憚なく話し、法的に問題がある、建築理論上無理な部分を改めることになります。流れとしてはそうなりますが、その前に失敗しがちな点を把握しておくとムダがないかもしれません。
間取りでありがちな失敗とは?
注文住宅を建てて、いざ住んだら問題が生じる間取りもあります。どんなことがあるかあらかじめ知っておきましょう。
失敗1:ライフスタイルに合わない
たとえば帰宅の遅い家族がいるとき、バスルームと寝室が近いと、先に寝ている家族が起こされてしまうことがあります。来客の多い家ではゲストルームのそばにトイレがあると使いにくくなることも。家族のライフスタイルを考慮した間取りにしましょう。
失敗2:リビングからトイレが遠い
リビングとトイレは近すぎると音が聞こえやすいなどの問題が生じるため、遠くしてしまうプランを出しがちですが、よく利用する場所が遠いとめんどうです。
失敗3:家事同線が悪い
キッチンと洗濯機が離れている、もしくはバスルームと洗濯機、干すベランダが遠いと家事同線が悪くなり、家事効率が落ちます。毎日のことだけにそこは近く設定しましょう。
失敗4:収納が少ない
個人の部屋を重視しすぎて収納スペースが少なくなると家が散らかりやすくなってしまいます。大きな収納スペース、ロフトや屋根裏収納・パントリーなどはしっかり確保しましょう。
失敗5:開放的な間取りにしすぎた
家族がバラバラにならぬように、リビング中心に集えるひと続きのスペース設計をすると、個人で過ごす場所がなくなり、ストレスがたまることもあります。プライバシーが守れるような個室やひとりになれる空間もある間取りにすることが大切です。
失敗6:風通しが悪くなった
部屋は大きめの南向きの窓と、向かい合わせの北向きの高めの窓があると通風がしやすいと言われています。そうした向かい合わせの窓がつくれない間取りにしたために、家全体に風通しが悪くなることがあります。
家の周辺環境や向きも考えよう
家の中でのこともさることながら、間取りは周辺環境も考慮しなければなりません。お隣りのガレージとわが家の寝室は近いと睡眠の妨げになることもあります。また、お隣りのリビングとわが家のトイレが向かい合わせでは何かと気まずいでしょう。
また、バスルームが道路に面していると、こども同士で入浴しているときの会話や歌声が近所中に知られてしまうこともあるそうです。よく響きますので、そうしたことも考慮に入れなければなりません。
そして、南向きのリビングを想定して南向きの家にしてしまうと、反対側の部屋はつねに北向きになるので、家の半分はずっと陽の当たらない家になってしまいます。東南方向に向けることでぜんぶの陽差しが家の二面に当たることになって、明るく快適になることでしょう。
まとめ
注文住宅で間取りを考える上でのポイントをご紹介しました。いろいろな注意点がありました。
■家の向きはできれば東南方向に向くように確認
■大きな収納を確保(ロフト収納・屋根裏収納・パントリー・ウォークインクロゼットなど)
■ライフスタイルと家事同線を考慮して共用部分を決める(水回りを集める。リビングとトイレの距離はほどよくとるなど)
■バスルームやトイレ、寝室の位置を周辺環境から考える
■個室の確保を考える(対面の二面の窓ができれば取れるように配置。取れないときは通風孔や天窓なども考える)
などがポイントになりそうです。
個室に関しては、こどもが小さいうちは開放的な間取りにしておいて、あとで個室として仕切れるようにするのも方法です。こどもが独立したあとに書斎や収納に転用できるように計算しておくことも大切でしょう。
間取りの成功は注文住宅の成功とほぼイコールと思われますので、慎重に考え、決定することをおすすめします。