注文住宅に和室を設けるメリット・デメリットについて解説!
かつては、家族がゆったりとくつろげる空間がフローリングであることが多くなり、和室がないという住宅も見受けられるようになりました。しかし近年、さまざまな要因で和室を設ける人が増え、畳が人気を博すようになっています。そこで今回は、注文住宅に和室を設けるメリットやデメリットを解説します。
和室の主な活用方法
かつての間取りは和室がほとんどで、フローリングの部屋というのは限られていました。子ども部屋にはよく見られましたが、次第にフローリングの間取りが主体となりました。
しかし、日本家屋のよさが見直され、木造住宅が注目されつつある近年では、和室を設ける人が増加傾向にあります。それでは、和室を設けてどのような使い方をしているのでしょうか?
仏間にする
お墓や仏壇の不要論がある一方で、仏壇を置くスペースを確保する人がいます。建売住宅などでは和室が全くないという物件もあるなかで、注文住宅においては、少しのスペースであっても畳の部屋を作る傾向にあります。とくに仏壇のある家庭では、仏間は和室にするのが必須となっています。
ゲストスペースにする
和室は来客時に応接間として活用でき、ゲストルームにすることが可能です。ゲストの寝室として使えるうえ、プライバシーも保てます。
子ども部屋にする
子ども部屋として活用している人も多く、リビング続きに設けると常に子どもの様子を見守ることが可能です。
予備の部屋にする
将来的に親と同居を考えている場合は、親のために予備の部屋として備えておくのもよいでしょう。予備の部屋があれば、ライフプランの変更にも対応できます。
注文住宅に和室を設けるメリット
かつて和室が間取の中心だったのには、理由があります。まず、調湿効果があったからだとされています。畳は湿気が多いときには吸収し、乾燥しているときには水分を放出してくれます。これは、高温多湿の日本には適している条件です。
そして、イ草の香りはリラックスさせる効果があるとされているため、畳が好まれる理由のひとつでもあります。
さらに、子どもが小さい間は和室のほうが重宝します。転んでも痛くないうえにケガがしにくく、衝撃音を吸収する効果もあるので子どもの足音なども気になりません。子どもだけでなくお年寄りも快適に過ごすことができるため、和室を設ける価値は十分あります。
注文住宅に和室を設けるデメリット
和室を設けるメリットはさまざまあります。それでは、デメリットとしてはどのようなことが考えられるのでしょうか。ひとつには、湿気を吸い取ることで汚れやすいということにつながります。ダニなどの発生も防がなければならず、常に換気が必要です。
また、ふすまや障子、壁などのメンテナンス費用がかかり、高額になる場合もあります。かつては、お嫁入り道具としてタンス一式を和室に置いていましたが、重たい家具を置くと跡がついてしまい、部屋の模様替えが難しくなります。とはいえ、ライフスタイルには個人差があるため、居住環境や使用状況によってはデメリットにならないこともあります。
和室をつくる際に意識するべきポイント
フローリングの部屋に畳スペースを設ける人が増えていますが、注文住宅で設計するさいに小上がりの畳スペースを設けると、空間に変化が出ます。デザイン的にも人気があり、リビングに隣接するソファのような使い方もできます。
さらに、小上がりの下を収納スペースにすることも可能で、かつての和室のイメージよりもおしゃれさを演出することができます。ただし、段差がついてしまうことでデメリットになる可能性もあることを考えておきましょう。
そして和室をつくるのであれば、4.5畳から5畳あれば十分な広さです。リビングに和室スペースをつくる場合は、スクリーンや引き戸などの仕切りをつけておくと一部屋のように使えて便利です。
また、収納はしっかり確保しておき、押し入れなどを作っておくのが望ましいです。ゲストの布団一式を収納したり、雛飾りなど季節ものをしまったりできます。
また、近年は紙製やポリプロピレン製の高機能畳もあり、ダニやカビが発生しにくいというメリットがあります。
従来の畳の風合いを残しながら、撥水性もありメンテナンスの手間もかかりません。畳の部屋がほしいと思ってもメンテナンスを考えると決断できない人には、最適の畳といえるでしょう。
まとめ
注文住宅に和室を設けるメリット・デメリットについて解説しました。注文住宅に和室を設ける人は増えているのは確かで、さまざまなパターンがあります。親と同居している人は、少し広いスペースの和室を設けており、親のニーズに合わせているのでしょう。
近年人気なのは小スペースの畳コーナーで、中でも小上がりの畳コーナーはとても人気があります。ただ大事なのは目的を持って作ることで、用途に合わせた和室が望ましいです。使い道が制限される間取りでもあるため、家族としっかり話し合って判断しましょう。