今ファミリークローゼットが人気？ファミリークローゼットのメリットとは

従来の家づくりでは、寝室や子ども部屋にクローゼットを取り付けることが一般的でした。しかし、最近の家づくりでは、ファミリークローゼットを採用するケースが増加しています。そこで本記事では、なぜファミリークローゼットの人気が高まっているのかという点や魅力について解説します。

ファミリークローゼットって何？

注文住宅の魅力は、家の設計や採用する設備を自由に選択でき、理想の暮らしを実現できるということです。近年では共働き世帯の増加から、家づくりでは家事を楽にする設計に注目が集まっています。独立行政法人労働政策研究・研修機構「早わかりグラフでみる長期労働総計」によると、1980年代は専業主婦世帯が圧倒的に多かったのに対し、女性の社会進出が進んだ1995年ごろには専業主婦世帯と共働き世帯の数が同じになっているというデータがあります。

そして、2020年には専業主婦世帯数が571万世帯であるのに対し、共働き世帯数が1,240万世帯という調査結果がでているようです。つまり、直近のデータでは、専業主婦世帯数を共働き世帯数が大きく上回っているという結果があるのです。しかし、専業主婦世帯でも共働き世帯でも日々こなさなければならない家事の負担はほとんど変わらないでしょう。

そこで、いかに家事を効率的に完了させられるかという点に注目して、家づくりをする方が多いのです。家事を負担が楽にするというテーマの家づくりでは、ファミリークローゼットが採用されるケースが増えています。

ファミリークローゼットとは、名前のとおり家族みんなで共有するクローゼットのことです。従来の家づくりでは、寝室や子ども部屋など居住者ごとにクローゼットを分けて設置するという方がほとんどでした。しかし、近年では、家事の効率化を目的としてファミリークローゼットの人気が高まっているのです。

ファミリークローゼットを設置するメリット

最近の家づくりで人気が高まっているファミリークローゼットには、さまざまなメリットがあります。

まず、家事の効率化になるという点です。たとえば、各部屋にクローゼットが設置されている場合、洗濯が終わった衣服を各部屋の収納スペースに片付ける必要があります。たとえば、1階で洗う・干す・畳むまで完了させた衣服を、2階の各部屋に持って上がって片付けなければならないという手間が発生するのです。

一方、ファミリークローゼットの場合、畳んだ衣服をまとめて1か所に収納するだけで作業を完結させることができるため、収納にかかる時間を大幅に短縮できます。さらに、家族全員で共有するファミリークローゼットは、コートやカバン、帽子などもまとめて片付けられるよう設計しておくと家全体がすっきりするでしょう。

帰宅後にとりあえずリビングにカバンを置くという習慣をなくし、いつでも片付いた家になるのです。さらに、スペースの効率化になることもファミリークローゼットのメリットです。各部屋に収納スペースを設置するよりも、まとめて1か所の収納スペースにする方が省スペースになります。

ファミリークローゼットはどこに設置すべき？

ファミリークローゼットを設置する場所にはいくつかパターンがあります。どこに設置するのかによって得られるメリットが異なるため、何を重要視するかを考えておくことが大切です。

まず、もっとも多いのが脱衣所の近くに設置する方法です。脱衣所の近くに設置すると、洗う・干す・畳む・収納するといった洗濯にかかる一連の動作をまとめて完結させることができます。ただし、どこで干すのかも検討しておくようにしましょう。近年多いのは、脱衣所のスペースを大きめにして、干す・畳む作業も同じ場所で完結できるようにする設計です。

また、玄関の近くに設置するのもおすすめです。玄関にファミリークローゼットを設置することのメリットは、外出時・帰宅時のコートやカバン、帽子をその場で片付けられること。帰宅した際、リビングにカバンやコートも持ち込んで、とりあえずソファに置いてしまうという習慣をなくすことができ、家の中を整頓された状態で保つことができるでしょう。

また、リビングの近くに設計する方法もあります。リビングに設計する場合のメリットは、家族全員が使いやすくなるということです。たとえば、家族がリビングで過ごすことの多い家庭の場合、カバンを玄関近くのファミリークローゼットまで取りに行くのが面倒に感じることもあるでしょう。その場合、リビングの近くに設置すると、利便性が高まります。つまり、ライフスタイルやファミリークローゼットに何を求めるかによって設置する場所を検討することが大切なのです。

ファミリークローゼットを設置することで、家事を効率化させたり、整理整頓をしやすくしたりとさまざまなメリットがあります。ただし、どこに設置するのかは慎重に検討することが大切です。たとえば、脱衣所の近くに設置する場合と、玄関の近くに設置する場合では得られるメリットが異なります。ライフスタイルや何を求めるのかに応じて、設置場所を検討するようにしましょう。